EV革命をリードするエヌビディア

ニューヨーク取引所

AIソフトへの移行を果たしたハードウェア企業

ドイツのフォルクスワーゲンは、アメリカのテスラ(TSLA)に対抗するため、500億ドルを投じて電気自動車を開発したが、ソフトウェアに問題があったため期待通りとはいかなかった。

昨年、フォルクスワーゲンは、新世代コンパクトEV「ID.3 」のうち5万台をリコールしてソフトウェアのバグを修正すると発表した。卓越したエンジニアリングで知られる企業として大失態である。

さらに悪いことに、それらの不具合を修正するとされている無線システムも機能していないという

フォルクスワーゲンは、ソフトウェアのバグを解消するために奔走している。ID.3のリコール数が数千件にのぼるため、エンジニアたちは2月に手動でコアソフトウェアをアップグレードするが、より成熟したバージョンのOSは、2024年まで準備ができず、その後もコード開発の40%を外部のサプライヤーやサードパーティの開発者に委託する予定だという。

残念ながら、レガシー企業では、経営陣が別の道を選択しなければならないことを理解していても、悪い企業体質はゆっくりとしか消えていかない。

フォルクスワーゲンは、コストを削減のためにサプライヤーからソフトウェアの提供を積極的に受けている。TeslaOSのような完全な社内ソリューションを活用するより外部利用の方が、潜在的なメリットがあると判断したからだ。

そこで登場となるのがエヌビディア(NVDA)である。

10年前、エヌビディアは、PCやゲーム機向けにクラス最高の半導体を製造していたが、ジェンセン・ファンCEOはその事業の中に光を見出した。

2016年にディープラーニングブームが巻き起こると、開発リソースがTeslaなどのGPGPU、SoCに移行している独自のGPGPU技術「CUDA」を発表。エヌビディアの事業領域は、ゲームを超えて、スーパーコンピュータやデータセンターへと拡大し大成功を収めた。

現在、エヌビディアは自動車分野で370社とパートナーシップを結んでおり、同社のエンジニアたちは、フォルクスワーゲンやアウディ、トヨタ、ヒュンダイ、ボルボ、メルセデスとAV技術に取り組んでいる。

私は、ハードウェアビジネスである従来型の伝統的な自動車会社が、電気自動車分野でテスラから簡単にシェアを奪うという考えを信じたことはない。

テスラの中核であるソフトウェアビジネスは、企業と社会の大きなデジタルトランスフォーメ−ションの典型的な例である。従来の自動車製造と違い、良いソフトウェアを設計するのは大変困難なことである。

エヌビディアは、AIソフトへの移行を果たしたハードウェア企業である。

しかも、エヌビディアが開発したソフトウェア/ハードウェアソリューションが、世界最高ブランドの多くの頭脳になっているため、新しい自動車経済の大部分を支配することができる絶好の位置にある数少ないDX企業だと考えている。

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