第4回:投資家の常識!?株・債券・現金の期間別リターン
さて長期投資における複利効果については全2回で説明したので、その脅威のパワーについては納得できたでしょうか?
今回はさらに長期投資家へ洗脳すべく資産クラス別の収益幅について説明させていただきます。
投資期間の長さが成功の秘密
株・債券・キャッシュの期間別リターン(収益率)
さてまずは下記のグラフをみてください。これは賢明なる投資家なら誰でも読んでいてもおかしくない名著「敗者のゲーム」チャールズ・エリスが1900年〜2000年という超長期間にわたり株式・債券・現金(キャッシュ)のリターン(収益率)を調査・分析したものになります。
この図の読み方ですが、例えば「1年」の株式では、どの期間1年でも約52%の値上がりから約35%ぐらい値下がりする変動幅があることを示しています。
※投資して1年後の収益は52%程度値上がりもあれば、35%ぐらい値下がりすることがあるということです。
一応、理解を深めるためにもう一つやりましょう(笑)
「15年平均」ですと、平均リターンは約13%の値上がりから約2%の値下がりまでの変動幅にはいっていますよ!っていうことです。大丈夫ですかぁ〜?!
上下の棒グラフが長いほど変動の幅が広い(不確実:値上がりするかも知れないし損するかもしれない)ということです、株式はどの期間でも変動の幅が一番大きくなっていますね。
このグラフ面白いことに右にいけば行くほど棒の長さが短くなっていますよね。これは長期間でのリターンについては株・債券・現金も変動幅が狭く収益率が安定してくることがわかりますよね。
これは期間が長くなればなるほど、株式・債券・現金本来のリターン(収益率)に収斂していくことが研究結果としてわかったそうです。
「運用においては、長期では驚くようなことはないが、短期では驚きの連続」
出典:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」
ちなみにこの分析は当然アメリカの株式(S&P500)や債券を分析したものになり、インフレ(物価上昇)の影響を考慮したものになっています。
具体的にはインフレ調整後でも「25年平均」では株の運用では約2%〜12%程度の運用利回りを得ることができそうだということです。他の債券や現金にくらべても最低2%以上の利回りになりますので圧倒的に有利ですね。
しかし、25年間の平均利回りが約12%ってすごくないですか??複利効果の回に年平均リターン10%以上も夢じゃないと記載したと覚えていますか〜。
私も10年間自分で運用してわかったのですが、上記の仮説は正しいんじゃないかと思っています。よく株式投資はギャンブルという人もいますが(ある意味正しいですが・・)長期的に取り組むとそうでもない側面もあるということを理解していただければよいかなと。
では、今回はこの辺で。
まとめ
長期投資で株・債券・キャッシュの収益率を比較すると圧倒的に株式投資は有利である
数十年という長期間では、株式投資であってもある程度予測ができるリターンになる