第6回:あなたは知っていますか?株価とはどのように決まるのか
投資家の評価が集約されたものが株価
株価と価格変動について
株価とはあたりまえですが株式の価格になり、この価格は株式市場での売買の需給によって決定されます。このように売り手と買い手の間で需要と供給が釣りあっている価格を特に実勢価格といいます。市場価格なんていう人もいるでしょうか。
基本的に株式市場は個人投資家から資産運用のプロ(運用会社)までがひしめき合っていますが個人投資家はしょせん弱小投資家なので投資ファンドと呼ばれるプロ同士の需要と供給で決まった価格が株価(市場価格)という認識でよいと思います。
ただ、この株価ですが想像力を働かせると非常に面白く、プロ同士でも基本的には下記のような思惑で売買が成立していると考えられます。
買い手:A社の株はまだままだ安く、今後期待できると思うから購入
売り手:A社の株はすでに買われ過ぎてこれ以上の値段は上がらないだろう
「買い手 > 売り手」の場合には、A社の株価は上がっていきます。売り手はより高い値段で売りたいですから。
「売り手 > 買い手」の場合には、逆に株価は下がっていくことになります。買い手はより安く購入したいので。
これで株式市場における株価の価格変動イメージもつかめたでしょうか。
株式時価総額と企業価値
さて前段で株価については理解できましたか。次は「会社の値段」についても簡単に説明します。
市場価格である株価とその株式会社の発行した株式数をかけたものが、市場で決めた株式会社の時価での値段になります。
株式時価総額 = 株価 × 株式数
会社をM&Aで丸ごと買収する際も上記の式における「株式時価総額」分だけお金を用意すれば買収できますね。ちなみに株式時価総額を株主価値と呼ぶこともあります。
株式会社の時価総額は当然毎日株価によって変動しますので、株価が下がりすぎた企業は買収対象になるようなケースもあります。
株主価値に対し、「企業価値」という言葉もよく聞きますので簡単にご説明しましょう。
企業価値とは何?と聞かれて即答できる人はなかなかいないと思います。
ちなみに私は一番最初に企業価値と聞いた時は、いわゆる企業の持つブランドやビジネスモデルじゃないかと思いました。
企業価値は考え方が難しいのですが、誰のための価値なのかを意識することが重要だと思います。
私は何も考えずに消費者の立場では企業そのもののブランドと回答しましたが、例えばサラリーマンの立場で考えると「給料のいい大手商社」や「モテそうな有名企業」なんかも企業価値が高いなんて考えそうです。
しかし、このサイトは初心者投資家向けに記載したものなので投資家の立場での企業価値について記載したいと思います。
投資家にとっての企業価値とは、事業の価値を金額で算定したもの。乱暴に言えばやはり「会社の適正価格」です。なお企業価値の計算方法にはいくつかありますので興味のある方は書籍なり検索して詳細をしらべると勉強になると思います。
ちなみに最も有名なのがインカム・アプローチ(DCF法)で次のような考え方になります。
会社が将来にわたり生み出す利益を全部合計したもの。ただし、将来の利益については金利やリスクなどを勘案し、現在の価値に割り引く。
これだけでは株式投資初心者には、ちょっと理解しにくいかも知れないので覚えておく程度でもいいと思います。
これじゃないと投資できないという意味じゃありませんから。
ポイントは、「将来の利益」と「現在の価値に割り引く」という2つのキーワードですね。投資の神様ウォーレン・バフェットもDCF法に近い計算を頭の中でして市場価格よりも割安な場合に企業への投資を実施しています。
今回は初心者には難しすぎですね(笑)最後は価値について言及したバリュー投資の父ベンジャミン・グレアムの名言を記載しておしまいにします。
株式市場は、短期的には人気投票の場に過ぎないが長期的には価値測定器である。
短期的な株価は誰にも予測できないが、長期的にはその会社のもつ本質的な価値に株価は収束するという意味です。
まとめ
株価とは株式市場での売買の需給によって決定し、需給バランスで変動する
投資家にとっての企業価値とは「将来の利益を現在価値に割り引いて計算する」
明日の株価はわからないが長期的には会社の本質価値に価格は収束する